あられ

特捜部Q Pからのメッセージのあられのネタバレレビュー・内容・結末

特捜部Q Pからのメッセージ(2016年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

未解決難事件を解決する ”特捜部Q” シリーズ第三弾
毒母に育てられた宗教2世の歪んだ犯罪です。深刻でタイムリーな問題です😰

エホバの証人の信者で、特に信心深い家族を狙った子供の誘拐殺人事件。一作目に続きまたもや監禁ものになります。緊張感半端ないストーリー展開でした。


“特捜部Q” に届けられたのは、周りに付着した藻の状態から、7年ほど海を漂っていたと思われる、ボトルの中に入っていたイニシャルPからの手紙だった。手紙は血が滲み、文字は薄れていたものの、幼い子供の誘拐事件と推測でき、早速捜査を開始する。折下、エホバの幼い姉弟が、似たような手口で誘拐される…。

不透明で苔の生えたボトルの中の手紙に気がついて、読んでみた人が凄いと思いました😆

犯人は登場した途端に分かりますw 彼の胡散臭い笑顔にゾッとしましたw 犯人の母親は宗教に傾倒するあまり、幼少期の姉弟の2人に、恐怖を与えつつ教義を刷りみ、宗教活動を強制していました😱

母親の宗教的虐待 & ネグレクトが、目を覆いたくなるような過激っぷり😱上手く行かない事を子供の信仰心が足りないせいだと思い込み、“神は見捨てた” と吐き捨て、姉に失明するほどの薬品をぶっかけます😭

信仰心とは、良いことがあった=祈りが通じた。悪いこと=祈りが足りない。そんなんじゃ自分の努力が認められないわけで、なんだかやってられないですよね😰

その悲しい事件がきっかけとなって、ついに犯人は悪魔と化したサイコパスへと変貌します。母親のハサミで人をぶっ刺したり、チョキチョキする殺害方法が、残虐でえぐいです😱

これまでのこの一連の誘拐は、警察に届けたら子供を殺すとか、エホバに罰せられると脅かされ、警察よりも神を信じる者たちは、敬虔に祈れば子供たちが帰ってくると信じ、警察に誘拐のことは隠していました。今回は誘拐を察知した“特捜部Q” の説得で、初めての事件化となりました。

犯人は、獲物となる信心深い家族と、神父として時間をかけて親睦を深めており、宗教の祝日に幼い子供たちを誘拐し、経済状況に見合ったお金を要求し、失明した姉を支える生活費にしていました。

犯人は自称 “悪魔の子“。しかし、大勢の一人にすぎないとのこと。神を信じる者の信仰心を奪ってやる。子供をさらって家族を苦しめ、神への信仰心を失わせる。それが ”悪魔の子“ としての使命と思っています。いやーもう色々恐ろし過ぎてびっくりです😱

誘拐事件なので金の受け渡しの時は刑事課総出、25人の私服警官で対処します(特捜部Qは刑事課に属する) 中でも新任のイケメン、パスゴー刑事の登場は、今までむっさいおじさんばかりだった刑事課の、一服の清涼剤だったのに…。

犯人が手強いのか、警察が無能なのか。解決してない誘拐事件を報道しまくるマスコミも酷いです。そして、被害者である両親やカールまで犯人に襲われることに…😰

カールが拉致され、子供と同じ監禁場所で鎖に繋がれます。無神論者で神を信じないカールに、神に祈れって犯人が強要するシーンは、神を憎んでいるはずの犯人が、実は神に拘っているらしい姿を垣間見せ、彼の母親と同様の不気味さと恐ろしさがありました😰

なんだかんだで、信仰心の深いアサドが、不幸な人たちの心の安らぎになってますね。アサドが海辺で犯人をやっけるシーンは、犯人の初登場のシーンで行われていた洗礼の場面と同じ様で、何か訴えるものがありました。

ラスト、無神論者のカールが少年Pの葬式で、涙を浮かべながら讃美歌を歌う姿を見せます。そして、その後アサドに感謝の言葉を述べたりします。犯人や子供たちとの関わり合いで、ポッカリ空いた彼の心や信仰心が、改善されつつあるのかもしれません😆

個人的には、無神論者のカールと信仰心の深いアサドの、平行線的な言い合いが面白かったです😊
あられ

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