冬の亡霊

メアリと魔女の花の冬の亡霊のネタバレレビュー・内容・結末

メアリと魔女の花(2017年製作の映画)
2.4

このレビューはネタバレを含みます

アニメーション自体は佳作だが、キャラを生かしきれてなくて残念。そもそもジブリじゃないので比較するのは酷だとしても、これをジブリだと思って観ちゃう人には閉口せざるを得ない。特にストーリー構成と脚本に難があり、疑問とツッコミどころが多い。

例えば、校長が入学願書を探すくだりは、それこそ魔法で探せよ!校長のくせに水に化けてる暇あったら便利に使える魔法を磨けよ!何でこんな簡単な魔法使えないんだよおかしいだろ!とか。

仮に疑問に関してはどこかで語られていてこういう設定ですみたいのがあるのかもしれないが、作中でそれを消化できてないのだとすればそんな設定は豚に喰わせろってんだよ。

メアリが、数回会った程度のピーターの為に、一目惚れしたわけでもないのに、責任感のある立場でもないのに、自分しかピーターを助けられる人がいないとしても、なぜ命をかけるほどの使命感のような気持ちを抱くのか?が納得できない。

スタジオジブリに慣れてしまうと「魔女は血で飛ぶのでは??」の気持ちが前に出てきてしまいがちだが、魔法大学でみんなが魔法を学んでいる設定は面白かった。
しかし、メアリの魔力がワンデープレミアムパスポートみたいな扱いなので、帰宅即バレしてて学院生活みたいなのが紹介だけで終わってて勿体なさ過ぎる。

ポンコツ役立たず少女の成長を描いてる過程が全然共感できない。ジブリ以外で同じ魔女の成長を題材にした映画なら「魔女っこ姉妹のヨヨとネネ」とか観てくれ頼む。

日常を描く前半パートがあまりに薄っぺらいので、とにかく事件が唐突に起きてしまった感が強い。
話の畳み方もやや強引で、悪役が人を殺すまでの悪じゃないから魔法大学が滅びるとこまでは懲らしめないのも、大人からすれば中途半端に思える。すべての魔法を消す魔法(物理的に干渉を受けた場所限定)にも呪文があるわけじゃないのも不自然に見えた。
私にはもう要らないとか言って夜間飛行ぽい捨てしちゃうのも、そもそも7年に1度咲くって設定なんだったんだよって感じがしてしまう。庭師だから草木に詳しいんだとしても、おっちゃんは何でその花知ってるの?

写真があるわけでもないのにラピュタみたいなとこにあるエンドア大学の魔法つかいがそんな有名な存在として流布してるの?

そもそも大叔母様とメアリの関係性が分かりづらい。大叔母様は未亡人なのか生涯独身なのかもよく分からない。教育の為とはいえ間違った方向に行ってしまった校長と博士の2人を正す為に、魔女の花「夜間飛行」を盗み出したのが昔の大叔母様=ホウキくんの主人。これ以上の情報が無い( ˘ω˘)
メアリの両親の存在を都合よく省いてしまったせいか、どうも人となりがよそよそしい。
魔女なことを隠す上で魔力を使わないように努めていたのだとしても、7年に1度夜間飛行が咲くことを知っていたなら、やんわりと森に入らないように注意するだけじゃなくて、もっと前からどうにかしようと思わなかったの?

あと個人的には夜間飛行って名前は、舞台が海外なのになんで日本語?って感じがするし、子どもにも分かりづらいしダサいから、ナイトフライトとかにした方が良かったんじゃないかなぁ。

ねこ達やホウキくんはかわいかったのでそこは良かった。
しかし生徒達はともかく、校長とか博士に使い魔(黒猫など)がいないのは怠慢に思えた。どうぶつたくさん出されるよりも、もっとかわいいキャラを出してもよかったはず。