カーアクションムービーの絶対王者『マッドマックス怒りのデスロード』のモノクロ版。
オリジナル版はただただ「最高だ！」としか言えないのでモノクロ版をレビュー。
オリジナル版のインパクト抜群な作風が白黒になったことで質感がより鮮明になり、印象がガラッと変化した。
正直な所、背景やクルマといった『画』は美しくなっている一方で、ラストの大軍勢によるカーバトルなどのアクションシーンは派手さが抑え気味。
爆発や炎は赤いほうが良い。
ギター野郎もちょっと大人しくなった。
しかし、このバージョンでは、僕がかつて『マッドマックス2』で感じた《近未来の話にも関わらず、代々に渡って語り継がれてきたかのような神話性》がより表れており、余計な情報を極限まで減らした壮大な世界観は、神聖さが溢れていてとても素晴らしい。
もちろん、《虐げられて命からがら逃げてきた者たちが、試練に立ち向かって最後に勝利し、威厳と尊厳を持って元の場所に戻ってくる》英雄神話的なストーリーの面白さは全く失っておりません。
これは世紀末世界版の"エクソダス"だ！
個人的には『ゾンビ』のロメロ版とダリオ版みたいな感じで楽しんでいます。
いつか『ザシネマ』新録吹き替え版でこのバージョンが観れるようになってほしい。
そう願っています。
【"約束の地"はあるのか？】
【あてもなく彷徨う、この荒野の果てに】
