るる

デ・パルマのるるのネタバレレビュー・内容・結末

デ・パルマ(2015年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

べつにファンでもないのに、なんで見たのかな…

クレイジーだよね。嫌いじゃないけど、身近にいたら困る。

キャリーの、狂ったように笑う女たちがロッカーの片隅に裸の女を追い詰めるシーン、女性同士なのに初潮がきたことをあんなふうに嘲笑うかね? そんなわけなくない? 相手を笑ったぶん自分に返ってくるんだよ? ありえねえから!と思うけど、
小中学生のうちに見てたら、初潮って恥ずべきことなのか、虐められるようなことなのか、隠さなきゃと、壮絶に凹んでたと思う…教育に悪い。

血まみれシーンのえぐさなど、絶妙に逆撫でされる、ホラーとして見れればいいんだけど、うーん、
ぶっちゃけ、男性がこれ作って男性を楽しませてる、女って怖いわ、と刷り込むタネを提供してると思うと腹立つし、フェミニストに批判されるのもわかるわ、という感じ。
そんな単純なもんじゃないことは承知の上でな…醜悪なものをあえて世に出すことにも意味があるし、観客の不快を刺激する表現だってあっていい、表現の自由は守られるべき、ただし、不快な表現だと主張し批判する自由もあるからな…

男が持った巨大なドリルは男根のメタファーでしょ、それを女性の腹に突き立てて、床を突き破る、まあ、悪趣味だよね。男が女を加害するぶんには、世にありふれた構図だし、好きにしたらって感じだけど。

女性の趣味、撮り方がやっぱり独特だよなと。金髪の白人女性を人形のように壊す…根源的なところで、相手を人間だと思ってない感じする、映画監督、クリエイターって、往往にして人を人と思ってないけど。自覚がないままいられるあたり、あらゆる意味ですごいことだよなと。どういう環境で生きてるんだ…

キャリーのリメイクについて、自分が回避した間違いを他の連中が犯しているのを見るのは気分がいい、だっけ。なんてひとでなしなんだと。笑ってしまうわ。

ベトナム戦争、反戦の話は面白く見た。

スパイ大作戦あたりから、ぐぐっと、あの特異なカメラアングルが異様な効果を発揮して、画面の芸術性を増していることが見てとれて、いやすごい。

画面分割はどうなのかなあと思うけど。コミック原作なら効果につながるのかもな…

全作解説してくれるの、贅沢ね。

映画を撮ることはミスを記録すること、解決できなかったことがそのまま残る、だっけ。すげえ感覚で映画撮ってんだなと思った。気持ちはわからいでもないけど…
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