てるる

ブラックボード 戦火を生きて/戦場のブラックボードのてるるのレビュー・感想・評価

3.7
観るのは2回目。

ナチスに反対派のドイツ人ハンス。
息子のマックスとフランスへ逃亡するが、フランスではスパイと疑われ、息子と離れ離れに…しかしフランスにも戦火が迫っていた。

実話かと思ったら、監督の母を含め、当時フランスで故郷を捨てて逃げた人々の話を繋げ合わせて作ったフィクションらしい。

道理でご都合主義というか、そんな簡単にことが運ぶかな…。
それに村人たちは良い人みたいな感じだけど、だいたいドイツ人てバレたのって誰か密告した人がいたってことよね?

ハラハラするようなシーンも戦闘機が襲ってくるところくらいで、基本あっさりめで乗り越えてく。

色々と惜しいんだけど、出てくるキャラクターが好きだった。

マックスの面倒を見る優しい先生の存在。
逃げる道中、殺された人々を子供たちに見せないようにするシーンが彼女の人となりを表してる。

あとワイン大好きおじさんや、スコットランド人の兵士が好きだったな。

一緒に逃げてく道中で信頼が生まれたりして…スコットランド人のロンドン行けという話が中途半端だったけど、ハンス達はたどり着けたのだろうか。

この映画のように故郷を捨てて逃げた人達は800万人で、20世紀最大の民族移動だったという。

しかし21世紀の今、ロシアがウクライナに侵攻し、500万人が避難しているという。
今ロシアがやってることはナチスと変わらないのである。
願わくば早くロシアの負けで戦争が終結し、皆が故郷に帰れることを祈るばかり。
てるる

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