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泥棒役者のTSのレビュー・感想・評価

泥棒役者(2017年製作の映画)
3.7
【自分に素直になろう】79点
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監督:西田征史
製作国:日本
ジャンル:コメディ
収録時間:114分
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2017年劇場鑑賞87本目。
尋常じゃないほどの平均スコア。ポスターといいタイトルといい『ギャラクシー街道』の二番煎じくらいかと思っていたので、当初見る予定すらなかった今作。ただし、2017年11月19日現在平均スコア4.0を誇っていますし、ユーザーさんの評価を見て気になってしまいました。大傑作とはいかないものの、かなり面白い部類に入るコメディサスペンス映画でした。

少年院を出てから工場で働き、更生した大貴はじめ。ところが彼の泥棒仲間である畠山は再び彼を誘い盗みを犯そうとするのだが。。

間違いなく最初のくだらないやりとりでため息をつく客が続出すると思われます。無論最後までその状態で、今作に駄作の烙印を押す方も少なからずいらっしゃると思いますが、今作はそういう出だしにも関わらずかなり挽回した好例であると思います。本当に出てくる人物全員がお馬鹿であり、主人公のはじめもよくそんな嘘で乗り切れるなと思ったものです。しかし、その馬鹿さ具合が最早『フルハウス』状態であり、何でも許せてしまう空気が序盤から形成されてしまいます。

作家の前園は『タマとミキ』の作者であるのですが、なかなかアイデアが浮かばない。編集者のフリをするはじめ、そこに現れる本物の編集者。クローゼットにずっと隠れる畠山、隣の家のクレーマーユーチューバーとかなりのカオス具合。それもこれもはじめが最初に嘘をつくことからはじまります。嘘をつかずに正直に最初に言っておけば、今作はそこで終わっていたでしょう。嘘をつきまくる。その結果ややこしいことになってくるのは自明の理。かなり遠回しにですが、自分に素直になろうということを今作は教えてくれます。

泣けるかどうかは人次第。僕は泣くまでいきませんでしたが、中々良い話だと思いました。面白さとしても中々。特に市村正親の演技は絶妙でしたね。マッシュ頭も可愛げがありましたし、彼の言動がいちいちツボになりましたね(笑) 期待しないで見にいくと思わぬ収穫がある作品だと思われます。それにしてもはじめの彼女さん、いい人すぎですわな。。(笑)
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