ゆき

彼女がその名を知らない鳥たちのゆきのレビュー・感想・評価

3.9
惚れたもん負け。

箸の持ち方から食べ方、全ての所作が美しくないんです陣治って男性。
雑な声色も眉間の深いシワも性欲の前では甘くなりツルッと伸びて、自分を繕うんです十和子って女性。
なんでこの2人が時間を共にするんだろう?そんな疑問しかない前半。

黒崎の甘い声とディスクに刻み込まれた遠い時間。
女への施し方が遊び人全開すぎる水島。
2人の男にボロ雑巾にされる彼女があんな結末を迎えるとは思わなかった。

「あーって声出して」を繰り返し大阪城をバックに口で抜かせる水島と「メダカ買うてきたで」とクリームパンを潰す陣治。「僕(ら)のため」という黒崎。3種3様の女の見方。そしてリアリティのあるダメ女。人間の都合の良さが十二分に味わえます。
全キャストに対して共感できるところが多々あって、自分を客観視してるみたいでした。怖かった。
ゆき

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