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バーバラと心の巨人のSY3KRのレビュー・感想・評価

バーバラと心の巨人(2017年製作の映画)
2.5
アンダース・ウォルター監督が世界的に有名なグラフィックノベルを映画化したファンタジー・ドラマ。彼にとっては初の商業用長編監督作となる。

バーバラの語る巨人たちはどれもオリジナリティに溢れており、1人1人細かい設定やキャラクター付けがなされているのがユニークだ。時にCGIによる迫力たっぷりの演出で、そして時には原作のグラフィックノベルそのままのスタイリッシュなアニメーションで巨人たちが画面を支配し、童心をくすぐる。

世間から冷たい目を向けられがちなバーバラだが、無償の思いやりと愛を注ぎつつげる周囲の人々の暖かさが胸に染みる。主演を務めたマディソン・ウルフの表現力が決め手となって、ジュブナイルとしての魅力を損なっていない点も見事だ。

それだけに脚本の雑さは惜しいの一言。例えば、親友のソフィアが事実を知って大袈裟に驚くシーンはどう考えても状況的に変だろう。特に、彼女がトラウマを脱し成長を果たすきっかけが自分ではなく他人というのは、あまりにも説得力を欠く。

そもそもバーバラくらいの年齢の子が、このトラウマでここまでダメージを受けるというのはどうなんだろう…というのは言い過ぎだろうか。

⚫︎トマトメーター
・批評家支持率:78%
・観客支持率 :74%
「本作のむらっ気を含んだマジックリアリズムは、時に平凡になりがちだ。しかし、印象的なCGIとマディソン・ウルフの迫力あるパフォーマンスが、本作に予想外の衝撃をもたらしている」
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