Asino

ハロルドとリリアン ハリウッド・ラブストーリーのAsinoのレビュー・感想・評価

4.0
ハリウッドで絵コンテライターから最終的にはプロダクションデザイナーだったハロルドと、リサーチャーとして活躍したリリアンの夫婦の60年を描く。

絵コンテ作家とひとくちに言うけど、カメラの特性とセットの予算感、カット割りまで考えて脚本をビジュアルに落としていく作業は映画のすごく重要な要素で、監督の仕事ってことになってるけどそれハロルドさんの功績なのでは?みたいな話が山ほど出てくる。
でも当時はスタジオに雇われたある種の「職人」仕事で。ろくにクレジットもされなかったというから驚いてしまった。

タイトルにラブストーリーとある通り、おしどり夫婦として知られたふたりのご夫婦(そして3人の息子たちの両親として)のふたりの紆余曲折も描かれるのだけど。
最後の最後に結婚のくだりがあるのがすごくよかった。
ユダヤ系のわりといいうちのお坊っちゃんで空軍パイロットあがりだったハロルドと、施設で育ち孤児に近い状態だったけれどとびきり聡明で意思が強いリリアンの訳ありな「駆け落ち」の話はそれこそ映画的だと思った。
この映画のなかでのリリアンの話を聞いてるだけでもすっかりファンになってしまうので、彼女のライブラリーが業界人の溜まり場になっていたというのもなんかわかる感じ。
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