美作。
名作だとも思いますが
それよりも先に
余韻の美しさがずっと残りそう。
女性の…
いや、人の、かなあ。
女同士のこの感じ
女だから共感しやすいし理解しやすいって
思う部分もあるんですけど
その狭いところに焦点を当てるのは
さすがにちょっともったいないですね。
美しいストーリーではありません。
美しい描写に溢れているわけでもありません。
でも
余韻がとても美しい。
一冊の小説。
語られるのは
二人の女性。
真面目な優等生の七月と
はすっぱで自由な安生は
お互いにかけがえのない親友同士でした。
七月に恋人ができ
二人が三人になってしまうまで。
誰の視点で観ても
それぞれの感じ方、振り返り方ができます。
心情のすべては語られず
表情の一瞬の緊張や
視線の持っていきかたで
ああ、わかる…を引き出す作品でした。