kito

シェイプ・オブ・ウォーターのkitoのレビュー・感想・評価

3.9
何とも不思議なテイストだった。

公開前のトレーラーが流れていた頃から話題の一本だったし、見事にアカデミー賞の作品、監督、美術、作曲の四賞を受賞。個人的には60年代の再現が素晴らしい美術とファンタスティックな雰囲気を醸し出す音楽は好みで凄く良いなあと思った。ただ、全体的には何だかいま一歩、作品の世界観にハマりきれなかったのだけど、、、

人気の高いギレルモ・デル・トロ監督だけど、いまだ「ブレイド2」と「パシフィック・リム」くらいしか観ていない。「ミミック」と「パンズ・ラビリンス」は途中で挫折したままになっている。世評の高い「パンズ・ラビリンス」は数年前から3、4回トライしてきたのだけど毎回、最初の方で萎えて再生を止めてしまっている。まあ、相性の良し悪し、好き嫌いはいろいろなんだろうなあ。

40年前に大ヒットした「E.T.」は心温まる傑作SFファンタジーだと思うのだけど、E.T.のあの造形だけはどうにも可愛いと思えない。主人公の少年エリオットや子役時代のドリュー・バリモアらが可愛いいだけに、よけいにE.T.の外見に違和感を感じ、いまだにその感情は変わらない。

そんなE.T.と同じように本作の半魚人もどうしても美しいと思えなかった(バスタブで水に戻すシーン、トム・ハンクスの「スプラッシュ」を思い出す) 話せないヒロインもちょっとエキセントリックなキャラでなかなか感情移入できなかった。オープニングから見事な肢体を披露しているサリー・ホーキンスが1976年生まれと知って驚いたけれど。

いやまあ、自分のルッキズム(外見至上主義)傾向を目の当たりにさせられた気分がして、ちょっと情けなくはある。

本作も考察を読むとなるほどなあと思うことが多い。ネットに溢れる数多ある考察が正解かどうかはわからないけれど、本作は異種族間交流の「E.T.」とは大元で違うという解釈が腑に落ち、まさに "目から鱗" だった。ラストシークエンス、アップのワンシーンを見逃したなぁ、、、
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