カマリス

シェイプ・オブ・ウォーターのカマリスのレビュー・感想・評価

4.0
題名が全てを表している。
「shape of water」=「水の形」
つまり、形のない形容し難いもののことである。
それは、外見の判断を超えた2人の愛だろう。

また、彼女の生い立ちとラストから分かるように、この作品は現実に絶望した人魚が海に帰るというアンチ『人魚姫』の要素も多い。

ただ、その要素から考えると、「外見を超えた愛という側面が薄れるのでは?」とも感じなくもない。
さらに、終盤の彼女の気持ちが一番表れる唄うシーンで感じてしまったのだが、彼女と半魚人の彼も本当の意味で分かりあえていないようにも少しみえる。
このあたりを、どのように捉えたらいいのかいまいち分からない。

ともあれ、水の描写やそれに伴うタイルのデザインや全体的な色使いも良く観ていて非常に楽しかった。
サリーホーキンスの「脚」を使った様々なシーンでの動きがとても良く、また歳をとっていながらも謎の魅力がこちらにびしびし伝わってきた。

終盤のミュージカルシーンもとても良かった(彼女の生い立ちからして唄うことは当たり前なのかもしれない)。心情描写をミュージカル風にする映画に悪い作品はない!
カマリス

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