ゆき

彼女の人生は間違いじゃないのゆきのレビュー・感想・評価

3.7
迷い

処女作の小説を原作に、自ら映画化した監督。
人生の打開策を探す人たちを描きながらも、哀しみだけではない。キャスティングの妙につきる一作だった。
恋人からの期待も父親の逃避も大きなプレッシャー。地元ではできない仕事、だから夜行バスに乗ってでも現実とは離れた場所にしがみつく。
素性も深く知らない人たちとの仕事に居心地のよさを覚えていく彼女。
認めたくないと言わんばかりに足掻く主人公が、少しずつ変化していく様が印象的だった。
彼女を軸に、登場する人物たちの描き方がしつこくなていい。
「うちらよく会うね?」という会話が何より救いになった気がする。
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震災後。仮設住宅で父親と二人暮らしのみゆき。平日は市役所で働き、週末は夜行バスで東京へ向かう。デリヘルでアルバイトをするために。行き詰った生活の先に彼女が見出す物は。
ゆき

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