K

彼女の人生は間違いじゃないのKのレビュー・感想・評価

3.3
仮設住宅。パチンコ。線量の下がる壺。補償金。骨のない墓。夜行バス。フクシマ→トーキョー。ただの人になれる場所。やらなきゃいけない理由はなんだったのだろう。瀧内公美さんの演技はやはり引き込まれるものがある。ふわふわ動くカメラ。カメラマンの存在を意識させられるショットはやや集中しづらい。この描き方でフクシマと彼女のエピソードを両立できているのだろうか。福島県出身の廣木隆一監督が撮っているのだから思い入れは強いはず。タイトルを“正しい”にしないバランス感覚は好み。生き方に正解など存在しない。だから間違いもない。そんなことは分かっていても、人は誰かに肯定を求めたくなるときがある。なぜ生きているのか。生かされているのか。そしてまた、米を食う。
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