ポラ丸

コスタリカの奇跡 ~積極的平和国家のつくり方~のポラ丸のレビュー・感想・評価

4.7
「コスタリカの人々の裡にある弾力のある心」
2018.11.28 シアター・イメージフォーラムにて鑑賞

不勉強ながらこの映画を見るまでコスタリカの努力や歴史を知らなかった。恥ずかしい。

映画のなかで一番嬉しかったのは人々の笑顔と言葉。生活を楽しみ冗談を言う。表情にその大きな心がそのまま出るような人たちだなぁ。
そして自分たちのそんな暮らし実現する世の中のしくみ、平和、富の再配分、エコロジーなんかを一人一人が真剣に考えている。

コスタリカの歴史はその節目節目で、優秀で真摯な政治家が出て継いできたように語られているけど、実際は一般の人々の熱い心がそういったヒーローを送り出し支えてきたんだ。

非武装の憲法下にもかかわらず軍隊を持とうとした大統領に対して、一人の若い法科の学生が疑問を感じ提訴する。それが最高裁まで勝訴する。日本なんかありえないでしょう。裁判官を含めみんなの中に毅然としたものがある。

日本では多くが自分が良ければという考え。世の中や他の人たちを考える熱さや真剣さが足りないんだな、そう思った。

たぶん行けないだろうけどコスタリカに行ってみたい。

もう一つ感じたのは痛烈なアメリカ批判。マイベストムービーの「モーターサイクル・ダイアリーズ」でもそうだった。アメリカは中南米の人たちに本当に憎まれているんだね。自由でポジティブなアメリカという国の表面を見がちだけれど、中南米の人たちが直面してきた負の部分を私たちもしっかり見すえていかなくてはならないと思う。
ポラ丸

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