JunichiOoya

ポルトの恋人たち〜時の記憶のJunichiOoyaのレビュー・感想・評価

2.0
舩橋淳さんのこの映画、吉田喜重・舩橋淳『まだ見ぬ映画言語に向けて』でも繰り返し取り上げられてて、でも未見だったので楽しみに見物。
サンクスシアターのリストにもあったんだけど、漏らしてしまっていたので…。

主人公男女を18世紀のポルトガルと21世紀の日本という、二つの時空で関係させる構成は映画的で素敵。
とはいえ、とりわけ18世紀パートの予算的ショボさに目を覆う。衣装も大道具も、そして何より現地の役者さんたちのリハ不足が、安手の学芸会的絵面を作ってしまっていた。

主人公とともにポルトガルに連れてこられた奴隷仲間が上陸早々「とんでもないところに来ちまったなあ」と詠嘆するのだが、あんた、いつの時代の人よ? 18世紀版日本語を使えとは言わないが、もうちと工夫してくれないと。

舩橋さんには『フタバから遠く離れて』という震災ドキュメンタリーがある。こちらは作り手に共感して何度か拝見した。
テーマに繋がりは感じるのだが、今回はどうにも物語が弱く、ちょっとがっかり。

同じ舩橋さんの『ビッグ・リバー』も未見なのだが、見たいようなちょっと見るのが怖いような…

吉田喜重と語り合った舩橋さんはホントにこの映画を撮った人と同一人物なのかしら…。
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