叡福寺清子

バンド・エイドの叡福寺清子のレビュー・感想・評価

バンド・エイド(2017年製作の映画)
4.4
ジョンソン・エンド・ジョンソンがバンドエイドを開発・製造・販売するまでの感動実話・・・ではなく,ボブ・ゲルドフがプロジェクトを成功させるまでの感動実話・・・でもやっぱりございません.顔を合わせりゃ喧嘩ばっかりの夫婦がバンド活動を通じてイチャラブを取り戻すまでの物語でございます.こんばんは三遊亭呼延灼です.
ゾーイ・リスター=ジョーンズが主演・監督・脚本を務めているという事で,極めてゾーイさんの思想が濃ゆく反映された物語.一歩間違えればゴミレベルのオナニー作品になるところですが,本作はまぎれもなく傑作でございました.理由はゾーイさんの才能に尽きると思います.
とにかく脚本,というかセリフが大変よろしい.久方ぶりにその気になって,いざ事に及ぶも途中で乾いてしまった状況での「なぜか急に閉店ですって感じ」「ドアに鍵がかかって,それがわかるのよ」というゾーイ=アナのセリフ.大喧嘩して自宅を追い出された夫のベンに実母が授ける「夫婦はそれぞれの形で必ず何かを失っている」「要はそれをどう理解するか.どんな経験に変えるか」というアドバイス.ちょっと呼延灼感動してしまいました.そしてユーモアも一級.いい演奏ができて気分的に盛り上がってガレージでいざ事に及ぶも(そればっかりじゃん),ベンの足がネズミトラップに挟まれる.ベンは痛いよと訴えますがアナはそのまま続けてと懇願.ガレージがユサユサ揺れると,ベンの足に挟まったトラップがカチャカチャ音を立てる.ユサ,カチャ,ユサ,カチャ.こんなもん笑うに決まってるじゃん.
そしてバンドといえば楽曲.作品上では即興で曲が作られているのですが,基本夫婦が『歌でしか言えない』事を歌っているので実にリアル.シング・ストリート級の良き楽曲でございました.
リアルといえばゾーイさんの演技も実にリアルで2020年オレデミー賞主演女優賞のノミネートが確実です.冒頭のギスギスした夫婦関係からバンド結成による修復と気持ちの変化.フット後藤でなくても「達者やなぁぁ」と感心すること間違いなし,であります.
そもそも個人的にゾーイさんのお顔がキャリー・アン・モス顔で,それはつまり私が大好きなお顔立ちという事でして,観てるだけで幸せな気分になれるのですよ.しかもおっぱいまで拝めるなんて最高・オブ・最高じゃございませんか.ちっぱいですがB地区がですね,♪とても綺麗ね 横浜♪と歌いだしたくなるレベルです.
誰ですか,結局オマエさんは女優の顔で作品の優劣を決めるのかい?って与太言ってる人は?そうに決まってるじゃありませんか!バカにするんじゃございませんよ!!