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ラブレスのねるねるのレビュー・感想・評価

ラブレス(2017年製作の映画)
4.0
息子の行方というミステリー要素が物語を牽引し、最後まで目が離せなかった。アンドレイ・ズビャギンツェフ監督の過去作からみてもハッピーエンドで終わるはずがないが、このエンディングには長い溜息が出てしまった。

ある意味、ジェーニャとボリス夫婦にとっては願ったはずの結果。ただ、これほど大きな喪失と罪悪を背負うとは思いもしなかっただろうが。この先、どんな幸せな日々を送ろうとも、ふとした瞬間に思い出しては胸を抉られるはず。

冬の凍えた木を画面いっぱいに映すファーストショット。拘った映像が鬱々とした不満と凍てついた感情を伝える。静寂と緊張、異質の空気感が溶け合わずに流れている。
ズビャギンツェフ作品はセリフも少なく地味な作風ながら、余韻を引きずる。好みが別れる監督かと思うが、個人的にはかなり推し。
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