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女王陛下のお気に入りのNMのレビュー・感想・評価

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)
2.9
原題 『Favorite』

女王を取り巻くサラもアビゲイルも実在の人物。女王含めてキャラクターを全面的に創作した映画。イギリス王室ってどんな創作でも許してくれて寛大だなと思う。飼い犬コーギーたちが殺し合いしたり女王もヘリから飛び降りたりとかね。

衣装も古さを感じない現代的でアーティスティック。史実を再現することはこの作品の目的ではない。
サラの調子が上がってきた時点で、ああ彼女もまた転落するのだろうな、という想像は皆するはず。彼女がウサギを踏みつけたように、最後はサラ自身が踏みつけられる。
かといってラストで惨めな可哀想な結末がはっきり描かれるわけではない。それよりは3人のわちゃわちゃバトル過程を笑いながら観る映画かな。

ランティモス監督は『ロブスター』やら『聖なる鹿殺し』などを作った上でこの本作というのが少し意外でもある。確かに普通の歴史ドラマでは全然ないが。あとの共通点はみな動物が関わるというぐらい。数人の無関係の女性たちが政治決定に関与していく、という社会の不条理さならあるかもしれない、この時代や舞台に限ったことではないが。
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