サラを失脚させてその位置まで登り詰めたアビゲイル。自分の言う通りに振る舞うよう求めてくる幼馴染のサラを切り捨てて、女王らしく自分で決断する道を選んだアン。最後にぼんやりと宙空に目線を送る2人の目には、どんな景色が映っていたのだろうか。
その2人の姿を見ていると「あなたにとっての幸せは何?」と、問いかけられているような気持ちになってくる。
閉じられたドアをはさんだ、アンとサラ2人のやり取りのシーンが良かった。鮮やかなコントラストと、ハッとするセリフ。それによって、登場人物の見え方も変わってきた。
どこまで時代考証が正しいかわからないが、貴族たちの生活がとても興味深い。また、「哀れなるものたち」につながる映像の美しさや、魚眼レンズの効果的な活用も面白かった。