ぽてち

世界で一番ゴッホを描いた男のぽてちのレビュー・感想・評価

4.0
中国の深圳にある大芬(ダーフェン)は、世界の複製画市場の6割を占めるシェアを持つ。俗に「大芬油絵村」と呼ばれるこの地で、20年もの間ゴッホの作品を描き続けているシャオヨンにスポットを当てたドキュメンタリー。
昔と違って今の中国はだいぶ洗練された印象だが、この映画に出てくる大芬は汚い。工房と称する場所は狭く、男たちは上半身裸でくわえタバコだ。床や壁は油絵の具まみれで、テレピン油の臭いが充満しているようだ。
そして発注者に搾取される労働者という構図も同じだ。「オランダに来い」と大口の注文主の要求に乗ったシャオヨンは、そこで観光客向けの売店で売られている自分の作品を目の当たりにする。その値段は、自分が受け取った金額の数十倍だ。
美術館で本物のゴッホの作品と向き合ったシャオヨンは、悩み考え続ける。そして彼は、帰国後に重大な決断をする。
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