主人公のステファニーとエミリーは何から何まで正反対で、その違いは外見からも一目瞭然だ。身長157センチの小柄な体型で、服装はやや地味・キュートなステファニー。対するエミリーは身長178センチのモデル体型で、エレガントかつクールな装い。それぞれの良さを持つ2人のビジュアルには、終始目を奪われる。
ストーリーが進むにつれ、複雑に変化していく両者の関係性も面白い。時には友人として秘密を打ち明け、時には明確な上下関係でマウントを取り合い、時には互いを知りつくした相棒のように並び立つ。性格まで真逆に見える2人だが、実は狡猾な計算高さを持っている点で非常によく似ている。
大抵の場合、こんな話を映画にすると醜い女同士の争いになってしまいがちだ。しかしキャラクター同士のやり取りはあくまでもコミカルで、肩肘張らずに楽しめる娯楽作に仕上げているのが見事である。
肝心の謎解き部分はあまりに古典的で驚きはなく、正直この部分に関して期待はできない。また、ステファニーもエミリーも性悪で共感されるタイプのキャラではないだろう。だが、監督の手腕は主演2人のケミストリを完璧な形で実現させており、その爆発力は何にも変え難い。
2024〜25年には続編の公開が予定されており、また2人に会えるのが楽しみだ。
⚫︎トマトメーター
・批評家支持率：84％
・観客支持率 ：73％
「ひねくれていて何よりも単純に楽しい本作は、スタイリッシュなママズ・ノワールの魔法をかけ、主演2人の力強い演技はそれを更に高めている。」
