とにかく冒頭から「みんながみたいものもってきたよー！！！」と勢いよく盛り付けてくるし、そこまでやるんですか？と言いたくなるようなボーナスタイムの展開もあり、満足感でいっぱいになりがら劇場を後にできました。
主人公はパイロットとして歴戦のエースだったとしても、完全無欠ではない。
仕事における駆け引きや、教師としては……という不器用さと破天荒さ故の危険性も描いており、それでも自分にはこれしかない…ここから教えることしかできない…という足掻きを見せる。
見所の飛行シーンはどれも真に迫り、カッコいいというよりも怖いという印象さえある。
華やかにみえる空中戦は死と隣り合わせ、主人公は何度もそれを乗り越えている故に誰も死なせたくないという執念で飛んでいる。
過去作を蘇生させ、現代に舞台を移動させた映画作品が増える中で、あの頃は輝いていたけれど今だって同じくらい輝いている。あの頃とは社会の価値観が異なるし、社会問題や思想をパーフェクトに深く微細に描くことはできないけれど、自分たちの限界まで信じてやり切って、若い世代には自分が持つ可能性を信じてほしいという熱いエールと、主演のトム・クルーズ自身の生涯を体現するような映画でした。もう一回くらい観に行きたいなー。
