くりふ

3D彼女 リアルガールのくりふのレビュー・感想・評価

3D彼女 リアルガール(2018年製作の映画)
1.5
【結局は君の名は。】

予告編に珍しく惹かれたが、結局は勿体ないと思い劇場行かず。レンタルしたが、いつもの邦画ダメコースだった。出涸らし話の上、展開無理あり過ぎ。ヒロインの過去を意味なくブラックボックス化したのが一番ダメ。

で、終盤の事件に医学的フォローないから説得力ゼロ。また、オタ差別の上に成り立つ物語で、全体にキモチ悪かった。

本作のオタはスクールカーストの最底辺だそうだ。そこに燻るのが主人公。

一方、ヒロイン役の中条あやみって、美人だけど読モ的フランクな魅力を持ち、カーストの頂点に立つオーラは感じない。学園一の美少女にも見えず、どこのカーストに属しているかよくわからない。

恋と友情はカーストを超える、とやりたかったのだろうが、こう足元緩いとどんなギャップがどう埋まるのかよくわからん。逆にまあ、何となくいつの間にか、別カースト同士が仲良くなる…という展開は日本らしくて、苦笑を呼ぶ面白みがあったけど。

そもそも何故、ヒロインがオタ主人公を選ぶのかわからない。書店のエピソードがきっかけのようだが、アレ最悪だろ。マトモな人間が考えたシナリオとは思えない。そもそもロケ地ジュンク堂の構造からして、あの事件は起こりようもないのだが。

男の優しさがポイントのようだが、オタだろうがなかろうが、あの状況なら彼女に対して当たり前の接し方じゃん。今までどんな男と付き合ってきたのよ。たまたま彼女が、相当ヒドイだめんずうぉ~かーだったってことか?

逆に、ヒロインの言動からすると、実は身勝手な女だよね。男の選び方もそうだし、男と人生分かち合う気がハナッからないことも。

で、肝心な所で医学的フォローをせず、あの医師を悪役に仕立てて無理に対立させている。この辺りがキモチ悪くて。

女の幸せは結婚、しかし相手に左右される…て結論づけたい辺りもえらくアナクロ。ホントに若人向けの話なの?

あと、キター!出涸らし夜の都会男女疾走!いまだにやるのか、連ドラ化石演出!

きっと現代なら、邦画の出演者はナビ持たされ、最後テキトーに走ればお目当ての相手に会えるよう、疾走ルートが仕組まれているのでしょう。そんな面白みでもなきゃ、マトモな役者なら走ってらんないだろ。

で、最後は某作の感動テンプレ流用だね。流石邦画。本作、あまりお客入らなかったらしいけど、それが若干、救いだとは思いました。

あ、竹内力と濱田マリが出てくるところはホッとしました。

<2019.2.17記>
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