来世はおしるこ

スリー・ビルボードの来世はおしるこのレビュー・感想・評価

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
3.0
ずっと観たくてシアターで観なかったのを結構後悔してた作品、タイミングが合ったので鑑賞
すごく良かった、良かったよね

印象に残ってるシーン4つ
・冒頭15分くらいに詰め込まれてる何気ない掛け合いでどれだけクローズドなコミュニティか分かるのがとても秀逸、誰もが誰もの何もかもを知り得る世界でどうして犯人が浮き彫りにならないのか、不気味さがゆっくりと、でも着実にその大きな影を落としてる感じがする

・父親初登場シーン、刃物が簡単に登場するくらい物騒なのにその数秒後には「よっこらせ」と父息子(刃物を突きつける側と突きつけられ/させた側)でひっくり返った机を元に戻してるのがめちゃくちゃ家族
安定と不安定の振り幅が大きすぎるけどそれを共にしなければならないのが血縁だよなという感じ

・署長の引継先、象徴としての正義の登場という感じ
言葉でしか登場せず忌み嫌われる存在としてしか描かれない黒人が、「人は見ている」と語られる時のいわば神の視点をもって置かれるのが揺るがない真理を突きつけてる感強くて観ていて安定感ある

・劇中で一番綺麗に撮られているラストシーン、どんな日にも朝があるし生きていれば誰にでも朝は来るという当たり前すぎて味気なくさえ感じる事実に分かりやすく(視覚的に)尊さをもたらしてるのすごい

全編通してはちゃめちゃに面白いんだけどマジで観ないと(“観る”観る)それが味わえないの、映画でしかできないことそのものすぎてまた一段と映画が好きになる

ヒットマンズレクイエムが結構好きなんだけど同じ監督と知って「ああ」と声が出るし、今度会う映画仲間が立て続けに観てる新作も同監督と知って思わず次の水曜の上映時間を調べました、楽しみです
来世はおしるこ

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