かぴばら

007/ノー・タイム・トゥ・ダイのかぴばらのネタバレレビュー・内容・結末

4.7

このレビューはネタバレを含みます

公開初日!仕事終わりのレイトショー!
このためにカジノ・ロワイヤル~スペクターまで予習したんだよ!だってラミくんが出るんだもん!!!
と、まぁ動機はいささか不純ではありますけどもね、観てきましたよ。


いやぁ、007舐めてた。終わる時間かなり遅いのにレイトショーとは思えない人の多さ。
さすが007、さすがダニエル・クレイグ。


ということで、感想。


まずね、マドレーヌの過去。初っ端からラミくん。サフィン。
マドレーヌの母親を殺し、マドレーヌを助けた能面の男。うぉぉぉ…



そして話は現代へ。
ボンドがマドレーヌとバカンスしてるところ。

マドレーヌの裏切りを疑って激おこボンド。敵に囲まれる中、泣き顔で必死に訴えるマドレーヌに「わかった」って一言だけ言って、盛大に反撃するのかっこよすぎた…そりゃ美女もメロメロになるわ…

それからすぐに車を乗り捨てて、たどり着いた駅でのお別れ…つらぁい…マドレーヌお腹おさえたやんかぁ…話聞いたげてぇぇぇ…


それから5年が経って。
結構長い間セカンドライフ満喫してたんだね?
フェリックスの登場で平和なセカンドライフとお別れすることになって。そしてキューバで一緒になったパロマちゃん。
思ったより出番少なかったけどさ?パロマちゃんめっちゃ可愛くない???可愛いよね!?え?何この子可愛い!!!予告映像ではもっとクールな感じかと思ってたのに!!
銃がダメならって綺麗なドレス姿で華麗な蹴りを入れる姿に惚れ惚れしたわ。


それからねぇ…オブルチェフに逃げられてフェリックスを目の前で亡くして。
とうとうMI6に戻る決心をしたボンド。
00としてではなく、ただのボンド中佐として。
何年経っても、離れていても、やっぱり味方で助けてくれるマネーペニーとQの存在がすごく嬉しかった。

持ち込んだ情報を元にフランツ兄ちゃんと再会することになったボンド。その場にはマドレーヌ。
サフィンに脅されたマドレーヌはウイルスを身に纏っていて。そりゃ怖いよね…


思いがけずフランツ兄ちゃんを殺してしまったボンドは、マドレーヌの元へ。ボンドにしかわからないマドレーヌの家。そこで出会った、青い瞳の少女。
自分の娘だって確信しながらも、否定するマドレーヌの言葉を聞き入れるボンドよ…

居場所がバレて狙われていることに気付いたボンドが2人を連れて逃亡。
だけど、2人はサフィンに囚われてしまう。
島に連れて行かれ、娘をサフィンに奪われたマドレーヌ。
銃を持っているわけじゃない、ただ座っているだけなのにどこか恐ろしい。そんな雰囲気のサフィン。時の流れが止まっているかのような空間の静けさ、美しさが余計に恐ろしさを増長させた。ラミくんはこういう役がよく似合うね。

サフィンに娘を連れていかれ、自分は銃を突きつけられて脅されることになったマドレーヌ。それでも屈しない強さ…


そんな中、2人を取り戻すため、サフィンを倒すために島へ向かうボンド御一行。
ウイルス生産工場恐ろしすぎんか…こわ…


マドレーヌを見つけ出し、娘を見つけ出したボンド。
2人をノーミに任せて島から脱出させて、自分は島に残って。
サフィンとの静かなやり取りが怖かった。
そしてサフィンが死ぬ間際に見せた切り札。それはあまりにも残酷で。
二度と2人と会えない、会うわけにはいかないことを理解した瞬間の表情がたまらなく悲しかった。


ミサイルが着弾する直前、マドレーヌとの電話でのやり取り。
ボンドともう会えないと悟ったマドレーヌの表情。愛してるって伝え合った時の2人の表情。
悲しくて、美しくて。やっぱり悲しかった。





今作は、ボンドがヴェスパーを失ったことで無くした感情を取り戻す物語。
今までにない感情の揺れが見えて、すごく人間的だったボンド。

敵のサフィンも、静かな怖さの中に儚さが見え隠れしていて、ラミくんだからこそ形になったんじゃないかなって。
今まで敵役のオファーを受けてこなかったラミくんが初めて受けた敵役。
うん、受けてくれて良かった。ラミくんがサフィンで良かった。
ラミくんがサフィンだったからこそ、ボンドとマドレーヌの絶望と悲しさと美しさが際立ったように思う。


それから、ビリーアイリッシュの歌も。すごく良かった。


これぞ正しく集大成。最後にふさわしい作品。
他の人の分は見たことがないけど、ダニエル・クレイグこそ、真のジェームズ・ボンドだったと思う。
かぴばら

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