Inagaquilala

007/ノー・タイム・トゥ・ダイのInagaquilalaのレビュー・感想・評価

4.0
ダニエル・クレイグのジェームズ・ボンド引退作品とされているが、劇中でもそのような展開でエンドマークが打たれる。それについては「やり過ぎ」感も否めなくはないが、次回へのエクスキューズも残しており、シリーズが終わるわけではないことは示唆している。南イタリアの町マテーラでのカーチェイスから始まり(これは圧巻)、舞台はジャマイカ、キューバ、イギリス、ノルウェーと移り、最後は日本海に浮かぶ孤島にたどり着く。相変わらずのワールドワイドな展開で、これはこれでやはり楽しませてくれる(このように舞台がダイナミックに変わってく作品は好みだ)。

そのスピーディーな展開で、シリーズ最長の2時間44分、退屈することはない。次回作の「007」のヒントも散りばめられており、ダニエル・クレイグの引退作品としてはふさわしいかもしれない。監督はテレビドラマ「TRUE DETECTIVE/二人の刑事」で監督を務めたキャリー・ジョージ・フクナガ。イギリス出身者以外の監督がメガホンをとるのはシリーズとしては初めてだそうだが、この半世紀にも及ぶシリーズをきっちりと描き切っていた。キューバの場面で出ていたアナ・デ・アルマスの登場が少なかったのが心残り。次回作でのメインキャストでの起用を望む。
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