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タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜のmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

3.5
チャン・フン監督が、1980年5月に韓国でおきた光州事件を世界に報道したドイツ人記者とタクシー運転手の実話をもとに描いたヒューマンドラマ。
原題:택시운전사、(英)A Taxi Driver (2017)

1980年5月、軍事政権下の韓国の光州。
民主化を求める大規模な学生・民衆デモが起こり、「戒厳令」が敷かれて外出が規制される。
妻に先立たれ、ソウルで11才の娘と暮らす貧しいタクシー運転手(ソン・ガンホ)は、お金(10万ウォン)欲しさから、ドイツ人記者ピーター(トーマス・クレッチマン)を乗せ、光州を目指す。
ところが、軍が学生や市民に対し銃を向け弾圧する現場を目撃した運転手は、身の危険を感じ、娘のため危険な光州から早く立ち去ろうとする…。

ソン・ガンホは、心が揺れる人情味溢れるタクシー運転手をうまく演じている。
笑いやアクションシーンなど娯楽作品の要素も入れ、観客の悲痛な思いを少し和らげてくれる。

「俺は運転手、あんたはお客さん。そうだろ?」

(後日談)
ピーターはこのタクシー運転手を探したが、再会できないまま亡くなる。
映画公開後に息子が名乗り出て、光州事件の4年後に亡くなっていたことが判明する。
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