せびたん

ゴースト・ブライドのせびたんのレビュー・感想・評価

ゴースト・ブライド(2017年製作の映画)
3.2
主人公ナスチャ(女)の初登場は大学の授業中に居眠りしてるシーン。このシーンが象徴する通りこの主人公、人の話をまったく聞いてないやつでして、ストーリーの古典的な様式のバランスとか観てる側の気分とかを微妙に害し続ける破壊者の役割を果たしていたような。

その結果、彼女の敵である悪霊的な何かよりナスチャに邪悪な気配が強いのが本作のおもしろいところでした。邪悪な存在VS邪悪な存在でしたこれ。

ていうかむしろ…あんな主人公にやられちゃって悔しかったろうなと悪霊的な何かに感情移入する始末でしたし、観終わった今もなぜナスチャが生き残ったんだろうと納得いかない気持ちでいっぱいです。一族のしきたりをあんな女のために捨てていいのかヴァンヤ!?と何度思ったことか。
てなことをたぶんこれが監督さんの狙い通りの反応なんだろうなと思いながら書いてます。ぜひ続編作ってナスチャをやっつけてほしいです。

映像はきれいでした。
ロシアの映画特有の廃墟的な?滅びの予感に満ちた?美しさでした。
風景の美しさも満喫できました。

ストーリーは小説好きな人が楽しめそうな古典的な・文学的な様式で、読み解く楽しみがありそうです(主人公がぶっ壊しにかかってくるけどw)
そこに今風のアトラクション的なシーンをちょいちょい入れてくるのは、おそらく監督の意図ではなくて製作者的な立場の人からの要請だったんじゃないのかなと勝手に推測。

結論を言いますと嫌いじゃないです。
けどすっきりしないので好きでもないかなあ(・ω・。)
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