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きらきら眼鏡のminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

きらきら眼鏡(2018年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

駅員の主人公は恋人亡くした過去を持つ。ある日古本屋で見つけた書籍の中に名刺を見つける。その持ち主である女性に本を返しに行ったことで不思議な交友が始まる。常に前向きな性格の彼女だが、余命僅かな恋人がいて......という話。森沢明夫の原作小説は未読。

大切な人の死を忘れられない青年と死を目前にした恋人を看取り続ける女性のお話。
タイトルにもあるきらきら眼鏡はつらく厳しい現実世界を視点を変えて眺めることで落ち込みそうになる気分を紛らわせようとするため心理なのだが、それは明るくポジティブなヒロインが抱える悲しい境遇をなんとか乗り越えるためのものなのだと感じた。一方、死去した恋人の最後のメールに返信できなかったトラウマを抱える主人公は彼女に惹かれて、似たような悲しみを持つヒロインと関わることで過去を思い出して苦しみつつも自分を見つめなおしていく。そんなふたりの姿が印象的だった。
物悲しくて僕好みのお話なのだが、乗れない部分も多い。まず、二人が会うきっかけから「ん?」となってしまう。本に挟まった名刺から突然連絡してくる男は結構怖く思われるかなあと。あと、恋人がいるヒロインが秘めた目的があるとはいえ主人公と何度もふたりきりで会うのはさすがにどうかと思った。
メインの二人以外のエピソードが割と好みだった。特に駅で度々新聞の忘れものを探しに現れる変人じみた男の女性駅員とのパートは良かった。

池脇千鶴は陰のある役柄が似合う。
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