くじら

殺人者の記憶法のくじらのネタバレレビュー・内容・結末

殺人者の記憶法(2017年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

 韓国映画3本目、アマプラの期限が迫ってたので見た。次は新しい記憶の方を見たい。認知症の殺人鬼の自分の記憶が正しいのかも分からない展開にハラハラした。主人公が記憶を失くす映画はメメントや手紙は憶えているとかを見てきたけど、何が真実なのか主人公にも見ている側にも分からない展開が好きなのかもしれない。

あらすじ
 ビョンスはアルツハイマー病のため認知症になり、最近の記憶から無くしていく。それを心配した一人娘のウンヒからレコーダーを渡される。そんなビョンスは動物病院をやっていたが、実は17年前の最後の殺しまで自分が死ぬべきだと思った人間を殺してきた殺人者だった。最後の事件で自分の所有する竹林に死体を埋めた後、車で事故を起こし記憶障害が起き始める。
 そして住んでいる町の近くで若い女性を狙った連続殺人事件が起きる。
 そんな中ある日竹林から帰る途中でビョンスは車に追突してしまう。その車のトランクには袋に入っていたものの遺体。その袋から滲んでいた血を布にとり、車のナンバーを覚えて匿名で通報する。また車の持ち主は地域の警官テジュだった。
 テジュはビョンスに近づこうとし、偶然ウンヒに出会い、ウンヒと付き合うようになる。ビョンスは会う度に忘れたり思い出したりするが、テジュには全て気付かれており、証拠の血もすり替えられてしまう。
 テジュを疑い行動を起こそうとするも、1週間分の記憶を失くしていたビョンス。テジュに捕らえられ今までの殺人の記録に手を加えられ、またビョンスにつきまとっていた女性に電話をかけさせられる。ビョンスは娘を案じ「姉」の修道院に娘をタクシーにのせ預ける。その女性はテジュに殺されていた。(また姉は若い頃父の虐待に耐えかねて自殺しており、自分が幻覚を見ていたことを知る。)
 テジュにはめられ、その女性の殺害の容疑をかけられたビョンスは逃走し家に戻る。そこでレコーダーを聞きなおしウンヒからのメッセージと、ビョンスを縛っていた時のテジュの罪の告白と脅しが録音されていた。そしてビョンスは娘をタクシーに乗せたと思っていたのが実はテジュの運転する車だったと気づく。
 ビョンスは電話で馴染みの警察署長に伝える。警察署長はテジュの車を尾行し、ビョンスと電話をしながらテジュがウンヒを隠している家に行くも、背後から襲われて死亡。ウンヒはそれを見てしまい、テジュから逃げるも捕まって怪我を負わされ縛られてしまう。
 テジュは鏡の前で父に耐えかねて刺そうとしていたこと、しかしそんな自分を、父から酷い目に遭わされていた母がアイロンで頭を殴ってきたことから女性不信になり殺すようになったことを語る。その間に縛られたウンヒは身を隠す。探しに出たテジュをようやくたどり着いたビョンスが車ごと車で吹っ飛ばす。
 ビョンスは家の中を探すも途中で記憶を失ってしまう。テジュにウンヒの場所を教えてしまい、また殺されかかるも抵抗する。揉み合いの末、結局ビョンスはテジュを殺し、ウンヒに過去の連続殺人者なのか問われ、お前は血が繋がってないから殺人者の娘じゃないと言って意識を失う。
 施設で暮らすビョンス。施設を訪れた娘に髪を切ってもらう。娘に会うと生きていたくなる、忘れる前に死んでしまおうと首に注射器を刺したところでテジュは生きてると思いだすビョンス。

感想
 ビョンスの記憶の失い方や幻覚によって何が真実なのかわからない展開がいい。あと殺人鬼2人が恵まれない家庭環境が発端だったことが共通していた。それがビョンスは父親のように死んだ方がいい人間を殺すのと、テジュのように母への恨み?から
女性を殺すようになるように分岐するのも興味深い。
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