まほろば

巴里の空の下セーヌは流れるのまほろばのレビュー・感想・評価

5.0
ジュリアン・デュヴィヴィエ監督の職人技というか、監督としての力量にうなるほかはない、オムニバス映画の教科書のような映画。

パリの街をまるで生きもののように、光と闇のコントラストをつけて描き出している。

光と闇は互いが存在するために互いを必要としている、どちらか一方が欠けてそこに在ることはできない、幸不幸は紙一重、そんな監督の達観したまなざしが感じられる作品。

美しい衣装をまとった女性たちの夢幻的な映像と音楽のシーンは監督がいろいろな作品で多様するモチーフのようだが、いつも不気味で空恐ろしい気分にさせられる。美しい悪夢、とでも言えようか。
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