つい先日、あるきっかけで30年ぶりの同期会を開いた。
早々に会社を辞めて家業を継いだもの。会社生活の多くを海外で過ごしたもの。横並びで仕事をしていた訳ではないから、仲間を結びつけるのは30年前の記憶。皆、あっという間に若かった頃に戻っていた。
そのせいだろうか。ふと本作に目が止まり、鑑賞することになった。
ベトナム戦争と湾岸戦争。巨大な利権を守る為に無理やり生み出された、世界の警察、民主主義の守護神アメリカの大義名分。そして、曖昧な大義名分に駆り立てられた多くの若者が戦地で見た真実。
誰が敵なのか？何の為に戦うのかすら分からない戦争に翻弄された父と息子の、史実の中に埋もれる小さく哀しい人生。30年ぶりに再開した男たちの友情。時間、空間、そして哀しい記憶を辿るロードムービーの秀作だった。
