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スパイダーマン:ファー・フロム・ホームのStroszekのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

サノスの「指パッチン」("The Blip")後の世界。これによると、ピーターもネッドもMJも消された側だったのか。

AR(Augemented Reality, 拡張現実)によりスーパーヒーローの幻影を作り出すミステリオ=クェンティン・ベックをジェイク・ギレンホールに配役したのは大当たりだと思う。『ナイトストーカー』で自由に惨事を演出する姿が思い出された。

ピーターはリズのことはすっかり忘れてMJに夢中、というのがなかなか若者の移り気を表していてよかった。トニー・スタークを喪ったことからすでにスーパーヒーローとなる目的の大半は失われ、「普通の高校生になりたい」とヒーロー活動が疎かになるのが現金だが、理解できる気がする。

ミステリオの多元宇宙(multiverse)から来たという設定は嘘だったが、シリーズ三作目の『ノーウェイホーム』やドクター・ストレンジの『マルチバース・オブ・マッドネス』への伏線になっているのだろうか。

擬態がテーマの一つだが(ピーターが正体を隠すのもミステリオのヒーローの振りも擬態だ)、ニック・フューリーとマリア・ヒルまでそうだったのは驚いた。

ビルの谷間を飛ぶスパイダーマンが受ける風圧まで感じられそうな、映画の暴力(褒めている)としか言いようがないサム・ライミ版の作画と比べるのは酷だが、やはりアヴェンジャーズ・シリーズの一部といった出来。心を動かされることはなかった。
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