【2003年キネマ旬報日本映画ベストテン 第1位】
『祭りの準備』黒木和雄監督の「戦争レクイエム三部作」の二作目。柄本佑は本作で映画デビューを果たした。
ゴリゴリの戦争映画かと思ってたらそうではなかった。戦時下が舞台ではあるけど、田舎の空気を詩情豊かに描いた懐かしい感じ。
柄本佑演じる日高康夫を含めみんなどこかおかしいのがリアル。戦闘が起こるわけでもなく、爆撃があるわけでもない。
小さなトラブルが積み重なって、間接的に康夫に降り掛かってくる狂気。静かで哀しい叙事詩。
康夫のおばさんを演じた牧瀬里穂が目の覚めるような美女で目を奪われる。
ファンタジックな演出も取り入れたなかなかの秀作。