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マリア・ブラウンの結婚のScriabinのレビュー・感想・評価

マリア・ブラウンの結婚(1978年製作の映画)
4.5
すごくいい映画だと思うけど、女性映画って呼ばれ方が気に食わない。間違っちゃいないんだけど、なんか馬鹿にされてる気がして嫌だ。今回の特集上映のキャッチコピーとかも、ほんとにこれでいいの?

冒頭の結婚式のシーン、ちょっとトリアーのヨーロッパ思い出した。ほんとに似てるのか要確認。列車のシーンが多いのも似てるかも。
連合国占領下のバーのシーンは地獄に堕ちた勇者どものラストに似てた。蝋燭とかゆったり踊るところとかスモークたいた空気、急激なクロースアップなど。
特にマリアと母親のやり取りで、身振りの余韻や感情の昂りが目立ってメロドラマっぽいなと思った。シュミットの天使の影でもそうだった気がするけど、暗転でシーン変えるところも演劇的。
会計士のキャラ造形がまんまバビロン・ベルリンに出てきた嫌な捜査官で笑った。
始まりは戦時中なんだけど、話自体は全て戦後。ドイツ零年とは対照的に、いつまでも戦争の影を引きづらず復興を促進する女性たち。最も戦後を生きているかのようなマリアもまた過去に縛りつけられているという皮肉。
友人と瓦礫をよじ登るシーンl love Paris流れてた。あそこの音の処理も魅力的だった。
カーテン、壁を使った覗きの構図。天使の影でもあった気がする。室内画はやはり良い。
Phoenixと似ているか確かめたくて見たまであるが、似ていたのは駅のシーンくらいか…?変わることで愛を持続させようとしたヒロインが、過去に縛られ自滅するというのは対照的だった。愛とエゴの境界線をぼかしていく感じは似ていた。
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