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殴られる彼奴(あいつ)のHarutoMのレビュー・感想・評価

殴られる彼奴(あいつ)(1924年製作の映画)
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『柳下美恵のピアノ & シネマ 』にて鑑賞。
生で奏でられるピアノ演奏によって劇場全体になんとも形容し難いグルーヴ感が生まれ、作品にもいつも以上に感情移入してしまった。
妻と親友に裏切られ、人としての尊厳を失った主人公の科学者は道化となることで自らの人間性を手放してしまった。
はじめはその外見的な奇抜さに目を奪われるばかりだが、物語が進行し白塗りの奥にある科学者の男の心情、人間性に感情移入していく。
命の危機に瀕し覚悟を決めた「さあ友よ、僕に最後の殴打を」、とてつもない悲壮感に打ち付けられる。
(20240502)
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