ロアー

シークレット・スーパースターのロアーのレビュー・感想・評価

4.1
14歳の少女・インシアは歌の才能に恵まれ、インド最大の音楽賞のステージで歌うことを夢みていたが、厳しい父親に歌うことを禁じられてしまう。
そこで顔を隠して自作の歌をYouTubeに動画をアップしたところ、たちまちインシアの動画は大人気となる。動画を知った落ち目の音楽プロデューサー・シャクティ・クマールはインシアを自分の元へ呼び寄せようとするが・・・

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2022年初泣きインド映画。
無名の女の子が歌手になるサクセスストーリーかと思っていたら、実際はDV父と戦う母と娘の絆の映画で、いい意味で裏切られて号泣しました。

夫に暴力を振るわれても、自分はバカだから仕方ないとひたすら従う母。そんな父親に反発し、立ち向かわない母にもイラ立ち「お母さんはバカだ」と言い放つ娘。母親のことを頼りない存在だと認識し、自分が保護者のように振る舞う親子逆転の母娘関係。
父親は典型的なモラハラDV夫で、暴力の他にも精神的DV、経済的DVと人通りの所業をやらかしている胸クソ野郎でした。
自分が稼いだお金を使われるのが嫌というより、自分の知らないところで勝手にお金を使われるのが嫌と言う、支配欲の塊エピソードにホントに腹が立ったし執着が気持ち悪かった。長男である弟には甘く、弟は父親が暴力を振るっていることなんて知らなかったので、気持ちはわかるけど一緒に連れていってあげて・・・と弟の例のシーンでまず涙ボロボロでした。

どの国でもこういう機能不全家族や男尊女卑の問題って根深いものがあ理ますよね。

「女に生まれたことを呪った」
「女に生まれてきて死にたくなった」

そんなセリフに胸が締め付けられました。

でも、男も捨てたもんじゃなくて彼氏がほんっといい子!
彼氏が120%協力してくれているにも関わらず、平気で文句を言う娘が酷くて、思わず彼氏に同情しちゃいました。家庭環境を知っているから怒りもせずに受け止めてくれる彼氏の大人顔負けの包容力が素晴らしい。酷い父親がいる反面、こんな将来有望な少年もいるなら男も捨てたもんじゃないね。

捨てたもんじゃない男枠としてプロデューサーのアーミルも準主役級で出演しているんですが、アーミルはあれだね。最近ずっと継続してゴリラ体形保ってるんですね。めっちゃムキムキパツパツしてました。
インド版毒舌っぽい設定だったのに、実際はめちゃくちゃ優しくていい人でとにかく女癖が悪いだけなのかな?一見ダメ男のようで根はいい奴に弱いので好きな役どころでした。
ロアー

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