マーくんパパ

愛と希望の街のマーくんパパのレビュー・感想・評価

愛と希望の街(1959年製作の映画)
3.8
大島渚監督デビュー作。川崎に住む貧しい家庭、病弱な母は靴磨きで日銭を稼ぎ、中学生の少年は街頭で鳩を売っては(鳩の帰巣本能で)取り返す生活をしている。路上の鳩売り見ていたブルジョア家庭の女高生が少年に同情し就職斡旋やら世話を焼く。食べていくためには少々法に外れた事もせざるを得ない階層と善意の甘いヒューマニズムしか知らない階層に横たわる断層を早いカットの切り替えで1時間余りの中編に問題詰め込んだ意欲作。引き続き鳩売る少年と鳩撃つ少女 “愛も希望も実らない街”を象徴する乾いた空気銃の音が響きます。