あなぐらむ

愛獣 襲る!のあなぐらむのレビュー・感想・評価

愛獣 襲る!(1981年製作の映画)
3.6
「ズームイン暴行団地」に次ぐ黒沢直輔の二作目は、横浜を舞台にやりたい事を全面に出した作品になった。
恐らくは泉じゅんとタイトルだけ先に決まってたのだと思う。横浜の懐かしいあの岸壁のバーを舞台に、母の男を寝取り、やさぐれた女が「帰ってくる」話である。
男は元刑事でやくざに転んだ小林稔侍。

泉じゅんの妹がやくざにマワされた事から、母と妹の復讐へと泉じゅんが身体を使って駆け上がる様は、いささか画が勝ちすぎ(撮影は森勝)、スジが見えにくいのだが、妙な熱気と色への拘りが微笑ましく観られる。
泉じゅんはとても美しく撮られており、益富さんも美味しい所を持っていく。珠瑠美が助演、内藤剛志もチンピラ役で出ているよ。