dieBananaSuki

映画HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズのdieBananaSukiのネタバレレビュー・内容・結末

4.9

このレビューはネタバレを含みます

傑作だよ。
私は本作を作った方々の心意気をものすごく気に入っている。

楽しかったことや辛かったことなどの思い出が私たちを強くするし、絶望の中でも立ち上がらせる力になる。プリキュアはその力で、だからプリキュアたちとの思い出で何度でも立ち上がって、やり直していこうというメッセージ。
そしてそこには製作陣のプリキュア作品に込めた想いや、態度、つまり心意気が表明されている。
だからものすごく気に入っている。
大人として子どもに伝えたい大事なこと、その子どもが大きくなってまたプリキュアに触れた時に思い出しても力のある大事なことを表現するという姿勢が素晴らしい。大事なことは言葉にすればまっすぐで気恥ずかしいけど、それが持つポジティブな力は、私たちの自然な動きであるネガティブに打ち勝つことができる強いものだ。それをプリキュアは体現していると(まだ数作しか観ていないのだけど)思う。
ペシミスティックに世の中はクソだということは簡単だ。逆に希望とかを語ることは難しい。どうも私(たち)の実感に反しているように思えるからだ。それは厭世観が前提としてあることに由来するもので、そういうものと戦いながら生きている。だからこういう作品に出会うと嬉しくなるし涙が出るし難しいことを上手にやり切っていることに敬服する。

以下雑記
・ドリームのセリフが良かったし、レインボーローズエクスプロージョンがかっこよかったのでプリキュア5好きとしては大変嬉しかった
・スイートのバトルシーンでの主題歌のギターアレンジがかっこよかった
・前半の育児パートが辛いのはちょっとどうにかして欲しかったなあと思ったりする。お話的に大事なのはわかるけど、ストレスは少なくしてほしいかも。そういう面ではオールスターズFは快適さが行き届いていたとも言えるね。
ここに関してはもう少し付け加える。説教くさいには大きく分けて2つあると思う。教訓話・寓話的なものと、啓蒙・アジテーション的なものの2つだ。今回の育児パートは若干後者の側面が強い。後者は、とにかく反発を生みやすかったりあまりいいことがない印象だ。というのはダメなところをなおしなさいという意味合いが強く、そのダメさを自覚させられた人は反発するし、そのダメさを持たない人にとってはどうでもいいことになるからだ。なので私は前半のパートはどうでもいいテーマ語りをしているからもう少し尺を少なくして欲しかったと思った。