パイキー

ガンジスに還るのパイキーのレビュー・感想・評価

ガンジスに還る(2016年製作の映画)
3.5
いい映画だと思います。現在20歳で今まで身近な人の死を経験していないから変な言い方死というものに馴染みのある方ではないけれど、死に方って人それぞれだなと思いました。覚悟してすぐ逝ってしまう人もいれば、なかなか逝けないけどある時コックリ逝ってしまう人もいる。
自分的には泣いたシーンは無かったです。歳をとって人生経験積んで観たらまた印象も変わるんだろうなって感じました。
むしろ印象深いのはコメディ的要素で、死を悟った親父の頑固キャラとそれに仕方なし付き合う息子が普通に笑えました。笑
そういうコメディさがあったから、この作品が「死」という重くなりがちなテーマを軽快にけれど深く描けているのだと感じました。
あと経済学的視点?で言うなら、資本主義による繁栄を追い求めてせっせと働く若い世代と、それに疑問を抱く年配の世代という構造も興味深かった。一昔前のインドはアメリカとは対極にある社会的価値観だった。というのもアメリカが永遠の繁栄により常に変化を志したのに対して、インドは今の生活を単調に全うすることを志した。(個々人ではなくあくまで社会的価値観としての話)けど今のインドは、現代世界の資本主義陣営に取り込まれて、繁栄を目指さざるを得なくなった。そしてこの映画の中では、今のインドの若い世代は必死こいて働いていてあまり今を生きられていない。それを少しばかり冷たい目で見てしまう今のインドの年配世代。
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