ごりぞう

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3のごりぞうのレビュー・感想・評価

3.2
【「動物と子供には勝てない」と誰かが言った】
 はじめに、親に虐待やディスカウントされた記憶を持つ人は、刺さるので覚悟した方がいい。
 また、動物虐待が苦手な人にもおススメできない。

 表題はテレビだったか、舞台だったかの格言である。ジェームズ・ガン監督は、この二つを使ってあざとくも、感動の映画を作ることに成功した。
 今回、パートナーが“グルート好き”なため、珍しく観たいということで二人で吹替版を観に行くことにした。
 個人的にスター・ロードはインフィニティ・ウォーの戦犯のような偏見が強い。その彼が、別世界のガモーラを口説く姿には、正直モヤモヤしたものを感じる。「パッセンジャー」のようなモヤモヤ感だ。想いの強さが真実の愛ではないような。一方的な愛情に対するモヤモヤ感である。
 さて、今作の特筆すべき点は、ハイエボである。理想の人であり、正義の人であったのだが、過去の事件で歪んだ人格となって、今作に登場する。
 「(争いのない)完璧な世界」を作ることを目標として、「ありのままの世界」を否定するという構造悪に陥った人物である。単純にこのテーマをDisney系でやるとは、監督もなかなかだ。
 「旧作同様のありのまま」がいいのか、「完璧な世界」が良いのか?という暗喩だとしたら?なんてことを思って観てしまった。
 基本的にGotGは、無法者である。平気で嘘をつくし、敵を皆殺しにする。しかも、他のヒーローと違って「皆殺しだー!!」とか言って。それが、爽快でもあるが、仲間同士のくだらない会話劇は、本当に笑える。今まではボケに対して“呆れエンド”か“ロケットツッコミ”だったが、ロケット不在でもネビュラの加入によって、ボケに対するツッコミが際立つことになった。脚本がなかなか良い。ラストの「おや?」ってなるセリフ以外は。吹替なので、本編は違うのかもしれないが。
ごりぞう

ごりぞう