発達障害の父親サムが娘の親権を取り戻そうと奔走するお話。
障害を持った方を描いた話ですのでテーマとしてはシリアスですが、この作品はユーモアを交えながら明るく展開していくところがとても良かったです。
サムは7歳程度の知能。娘はもうすぐ8歳。正直、7歳の知能でどうやって赤ちゃんからここまで育ててきたのかと疑問に思うところもあります。
それにあまりにも理想的過ぎる展開もあり、現実はなかなかこうはならないだろうとも思います。ある意味ファンタジーのようですが、私はそれでもいいと思いました。それくらい良かった。
その要因の一つは間違いなく俳優さんたちの素晴らしい演技でしょう。
かっこいいい弁護士役がハマっているミシェル・ファイファー。天使のようにかわいいダコタ・ファニング。
出番はそれほど多くありませんが、優しい笑顔の奥に心の傷を抱えたダイアン・ウィースト。彼女の法廷での演技が本当に素晴らしかった。
そして、もちろんショーン・ペン。もう私にはショーン・ペンがサムそのものに見えていました。
障害を持ったサムが弁護士に向かって「あなたは生まれながらにして頭がいいけど、僕は生まれながらこうだから」と言ったセリフに胸が痛くなりました。サムはどんな気持ちで今まで生きてきたのか。どんな気持ちでルーシーを育ててきたのか。娘が自分の知能を追い抜きつつあることにも気付いていたようです。自分の読めない単語を娘が読めるようになる。どんな気持ちだったんだろう。号泣しました。
もしかしたら一種の「お涙頂戴」かもしれません。ファンタジーかもしれません。でもそんな些細なことは霞むほどに、この映画は温かく愛情に溢れていました。
随所でビートルズの曲が使われていたのも見どころです😊