カタパルトスープレックス

ミスター・ルーズベルトのカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

ミスター・ルーズベルト(2017年製作の映画)
3.6
サタデーナイトライブにも出演経験のあるコメディエンヌのノエル・ウェルズの初監督作品となる成長物語です。ネットフリックスで配信されている良作なのですが、話題作に埋もれてもったいない。

飼っていた🐱猫🐱(ミスタールーズベルト)が病気で死にそうだと元彼のエリック(ニック・チューン)から連絡をもらった役者志望のエミリー(ノエル・ウェルズ)。元カレの家を訪ねたら、新しい彼女セレステ(ブリット・ロウアー)と「勝ち組」の生活を送っていました。自分は役者志望の「負け犬」なのに、彼氏も猫のミスタールーズベルトも取られた気分。あああ、どうしよう!?という話です。

今カノのセレステはいい人のお手本のような人。正しいことを正しく実行する。一方でエミリーはダメなヤツ。悪人じゃない。やっぱり、いい人なんだけど、間違った行動をしてします。それはそれで、自然な行動でもあるんだけど。いい人が正しい行動をしているとイライラする。それはなんで?嫉妬?なんだろう?でも、ありますよね、そういうこと。表面的に見えてしまう。でも、自分はどうなの?「たかが猫じゃないの!!!」

そういう、誰もが人間であるがゆえに持っている本質的な矛盾を描いている映画だと思います。もう、認めるしかないんですよ。自分は矛盾した存在だって。セレステとエミリーは水と油のような存在。どちらが「正しい」、どちらが「良い」なんてない。それなのに、周りの目からどう映るのかは気になってしまう。自分の矛盾と向き合うという意味において、セレステとエミリーはおんなじなんですよ。

それほど長くもなく、サクッと観れる映画なので、「何か観たいけど何もないなー」なんて時にオススメです。