たま

パウロ 愛と赦しの物語のたまのレビュー・感想・評価

パウロ 愛と赦しの物語(2018年製作の映画)
3.5
歴史物それも古代ともなると、ちょっと引いてしまう。
でも、暴君ネロもパウロもルカも聞いたことはあったけど、全然詳しくなかったので、分かりやすいシンプルな作りでとても見やすかった。

紀元67年のローマ、皇帝ネロはローマの大規模火災はキリスト教徒によるものと決めつけ、キリスト教徒の迫害をする。
その首謀者と見なされ投獄されたパウロは、かつてはキリスト教徒を迫害する立場だった。
ある日、天の声を聞きキリスト教徒に改宗する。
パウロから教えを書き残すため、獄舎を訪れるルカ。

獄舎のローマ軍長官は、決して強権的でなく、人間味溢れる人物に描かれている。初めはパウロとルカに不信感を持つが、娘の病に悩み苦しみ、ルカの書き写したキリスト教の教えにも興味を示す。迷いを抱えながらも、ローマの神の信仰に背き、娘の病を医者であるルカに託す。

パウロと長官の会話には心打たれる。「私の誇りは弱さだけ、お陰で神の力が宿ってくる」支配者と罪人との関係でありながら、熱心に耳を傾ける長官。

怒りに怒りで応えることなく、赦すことがキリストの教え、それが愛。
とても素晴らしいけど、現代は教えを都合よく解釈されてる部分が多いのではと思う。
初心に帰ってみるのにはいい映画かと思う。
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