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性別が、ない!インターセックス漫画家のクィアな日々のkyokoのレビュー・感想・評価

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LGBTのどれにも該当しないセクシャルマイノリティー、インターセックス。俗に両性具有、半陰陽と言われ、染色体異常などにより性別の判断が難しい人のことを指す。

今作は、自らインターセックスであることを公表した上でその題材をコミックエッセイとして発表し続けている漫画家・新井祥と、同居するアシスタントこうくんに密着したドキュメンタリー。私はこの映画でこの人の存在を初めて知った。

新井氏は戸籍上は女性であり、男性との婚姻歴もある。
外性器の異変に気づき検査したところインターセックスであることが判明。その後離婚している(マイノリティであったことが理由ではない)。

インターセックスの場合、新井氏のように公表している人は稀で、違和感を持ちながらもどちらかの性に無理やり寄せて生活している人がほとんどらしい。

自分の性別が分からない=性愛の対象が分からないということ以上に、そもそも自分は何者として生きていくべきなのかが分からないのだ。その苦しみは易々とは想像できない。
新井氏はそういう人たちのために暗闇をカンテラを持って道案内するような役目になりたいという。

新井氏のほかにも劇中何人かのセクシャルマイノリティーの人たちが登場するが、その内奥は複雑で繊細。
LGBTについてはだいぶ知識を得たつもりでいたが、まだまだ理解が及ばないことがあることに気づかされた。
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