まーしー

ピーターラビット2/バーナバスの誘惑のまーしーのレビュー・感想・評価

3.0
今回の舞台は街中。
悪党ウサギのレッテルを貼られたピーターが、老ウサギのバーナバスと出会う。
自暴自棄になっていたピーターは、バーナバスに感化され、ある計画に参加するが……。

街中でピーターがバーナバスや仲間たちと引き起こす騒動がユニーク。小動物という、街中では弱小な存在ながら、多様な手段で物を盗んだり人間の手から逃れたりする。
色々な知恵が詰まっていて、まるで『ホーム・アローン』を観ているかのよう。

しかし、単なるドタバタコメディで終わらないのが本作の魅力の1つ。ピーターの精神面の成長が盛り込まれており、失敗を糧にすることの重要性を説いている。

また、絵本作家ビアの成功への道のりや、ビアの夫トーマスの父性の芽生えなど、他にも描かれている内容は盛りだくさん。
全てのエピソードに共通するのは、「自分らしさを忘れないこと」の大切さ。
出版社の商業路線に惑わされるビア、盲目的に父親の理想像を追い求めるトーマス、無理やり悪党として突っ張ろうとするピーター……背伸びする生き方の限界も教唆している。

前作に引き続き、映像の美しさには惚れ惚れする。
賛否両論が残るピーターのキャラ設定だが、絵本の世界とは切り離して、本シリーズを楽しむべきなのかも知れない。