勇気をもらえるドキュメンタリー
米国で女性が社会的に活躍できていることの背景には、RBGの多大なる功績があったということを豊富な資料と証言を基に理解していく作品。
彼我の国の出来事として捉えるべきでは決してない。米国があれほどまでに男女の平等が進んでいるからこそ、日本社会での男女の「実質的な平等」の実現に向けたプレッシャーがもっと掛かって然るべきだし、彼女が間接的な先達となってくれている。
私は大学・大学院と法律を学んでいたこともあり、RBGが法学徒に語り掛ける「憲法は何よりも優先されるべき原点である」という言葉が何倍もの重さを伴って伝わってきた。
トランプ大統領の当選と4年間の大統領期間はRBGにとっては苦しかったはず…癌との闘病も虚しくこの世を去ったRBGが2024年の大統領選を草葉の陰からどのように見ているか。きっと大量の「反対意見」を書きたくなるような判決が最高裁判所から出されることがないよう、睨みを利かせているのではないか？そんな想像を勝手にしてしまうような、そんな人柄と業績の両方が窺える素晴らしいドキュメンタリーだった。
最後に一つだけ。
理解ある夫の存在が、RBGを羽ばたかせたと言えるだろう。伴侶に関わらず、理解者を見つけることは、この世の中を渡っていく上で不可欠な要素なのだと思わされた。
