盆栽

キングの盆栽のレビュー・感想・評価

キング(2019年製作の映画)
3.6
誰のために、何のために王になるのか


ウィリアム・シェイクスピアの戯曲を原作とした本作は、歴史的な重厚さとキャラクターの奥深さが見事に調和した作品。コミカル描写が一切なく、「平和」を求めるために躍動するハル王子の物語が観客に深い感銘を与えます。

王権の興亡という壮大なテーマを掘り下げ、鮮やかでダークな映像美と優れた脚本、音楽がそれぞれマッチしていて、歴史の転換期を見事に描き出しています。ハル王子を演じたティモシー・シャラメは間違いなく作品の中で大きな役割を果たしています。彼の演技が物語に深みを与え、重厚で品のある作品に。

歴史の恐ろしさや皮肉さ、虚しさが時折映画的感動に変わる瞬間は衝撃。最初から最後まで静かな空間を保ちつつ、目を離す隙すら与えない本作。歴史映画好きは避けては通れない映画かもしれません。

ティミーが剣を構える前の動作。お主、ジェダイだったか。
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